お子様の予防歯科
子どもの歯は非常に虫歯になりやすい状態・環境にあります。虫歯になってから治療を行うのではなく、 虫歯を防ぐために事前に行う治療を「予防歯科」と呼びます。1歳半から3歳までの間、そして3歳から幼稚園入園の間には健診がありません。この間は子どもにとってもっとも虫歯になりやすい時期だといえます。この時期のお子様の口内環境をコントロールするのは、ご家族・保護者の方の義務となります。
- 歯磨きが上手くできない
- 原因の1つには「歯磨きが上手くできない」ということが挙げられます。歯磨きは、ただ歯ブラシで歯をこすればいいというものではありません。きちんと歯垢(プラーク)を落とすためには適切な磨き方、つまり技術が必要です。子どもの場合、その技術を身につけていないため、口内の清掃が不充分になってしまうのです。
- 乳歯のエナメル質や象牙質の薄さ
- 2つ目の原因には「乳歯は永久歯に比べてエナメル質も象牙質も薄い」という点が挙げられます。永久歯の半分ほどの厚みしかない乳歯のエナメル質や象牙質は、あっという間に虫歯菌に浸食され、神経まで達してしまうのです。
- 食べカスが溜まりやすい
- 3つ目の原因は「乳歯は食べカスが溜まりやすい」という点です。特に乳歯の奥歯の溝は清掃が不完全となり、虫歯菌が繁殖し、酸を出しやすい環境を作ってしまうのです。
永久歯の第1大臼歯のことを一般的に6才臼歯といいます。この6才臼歯は永久歯の中で最も早く生えてくる歯で、6才くらいに生えてくるのでこのように呼ばれています。6才臼歯は永久歯の中で一番始めに生えてきて、上と下の歯の噛み合わせを決定します。6才臼歯が正しい場所に生えてこないと、次に生えてくる歯の歯並び、顔の形、噛み合わせに悪い影響を及ぼします。乳歯の1番奥のさらに奥に生えてくるので歯ブラシが届きづらくなります。そのため、みがき残しが多くなります。また、生え始めの時期はエナメル質も柔らかく、酸にとても弱い状態なので虫歯になりやすくなります。
- シーラントについて
- 奥歯の噛む面には溝があり、虫歯が出来やすいところです。ここにシールをして虫歯を予防する方法があります。これがシーラントです。シーラントは歯を削ることがないので痛みはありません。ただし、このシールが剥がれることもありますので、定期的に検診をする必要があります。シーラントを行ったからといって、必ずしも虫歯が出来なくなるというものではありません。また、これらの処置は初期の虫歯の治療法としても行います。
- フッ素塗布について
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フッ素は虫歯に強い歯をつくる性質を持っています。このフッ素を定期的に歯に塗ることで歯質を強化します。歯に直接フッ素を塗るので、市販の歯磨剤よりも効率的に取り込むことが出来ます。
- ① 歯をきれいに磨いた後、エアーを吹き付けて歯の表面を乾燥させます。
- ② 脱脂綿などにフッ素入りの薬剤をしみこませ、歯に塗ります。
- ③ フッ素を歯に塗った後は30分ほどうがいや飲食をさけます。